生成AIにメールの下書きを任せる手順とコツ 事務職の時間を短縮する
生成AIでメール下書きを作成して、事務作業をもっと効率よく
メールを書く仕事は、毎日の定番タスクです。報告書の提出依頼、進捗状況のお知らせ、クライアントからの問い合わせへの返信…こうしたメールを一つ一つ手で書いていると、意外と時間がかかります。
生成AIツール(ChatGPTやClaudeなど)を使うと、このメール下書きの手間をぐっと減らせます。AIに「どんなメールを送りたいのか」を伝えれば、数秒で整った文章を提案してくれます。その後、あなたが内容を確認して、言い回しを直したり、具体的な数字や名前を入れたりすればいいのです。
このやり方で、毎日のメール作成時間を今までの半分以下に短縮することも可能です。
準備するもの
1. 生成AIサービスのアカウント
以下のいずれかを選んで、無料または有料プランに登録します。
- ChatGPT(OpenAIが提供):Web版なら登録直後から使用可能。日本語の対応も良好です。
- Claude(Anthropicが提供):日本語の長文メールにも対応しており、より自然な日本語を生成することが多いと思われます。Web版で気軽に試せます。
- Google Gemini:Googleのサービスとの連携がしやすいなら、こちらも選択肢です。
「どれを選べばいいか分からない」という場合は、まずはChatGPTの無料版で試してみることをお勧めします。登録も簡単で、すぐに使い始められます。
2. 情報をまとめるメモ帳
メール下書きを依頼する前に、簡単なメモを用意しておくと上手くいきやすいです。
以下の内容をメモしておきましょう:
- メールの目的:「依頼」「報告」「謝罪」など
- 相手:上司なのか、クライアントなのか、社内のチーム仲間なのか
- 主な内容:「月末までに〇〇の資料を提出してほしい」など、1〜3行程度の要点
- トーン:「フォーマル(かっちり)」か「カジュアル(やや柔らか)」か
紙のメモでも、スマートフォンのメモアプリでも構いません。これを用意することで、AIへの指示がより明確になり、希望に近い下書きが返ってくる確率が上がります。
実際のステップ手順(所要時間の目安)
ステップ1:生成AIのサイトにログインする(1分)
使いたいサービス(ChatGPT、Claudeなど)にログインします。
登録がまだの場合は、メールアドレスかGoogleアカウントで登録してから進めます。
ステップ2:AIに「メール下書きのお願い」を伝える(3分)
AIとの対話欄に、以下のような指示を入力します。
例:上司への進捗報告メール
以下の内容で、上司あてのメールの下書きを作成してください。
・宛先:営業部長 田中さん
・目的:プロジェクトの進捗報告
・内容:
- A案件は予定通り進行中(納期は6月末)
- B案件で想定外の課題が発生したので、今後の対応について相談したい
- 詳細は来週の定例会で説明する予定
・トーン:丁寧だが堅くなりすぎない
これをメールの形式で作成してもらえますか?
実際には、この要望文をコピー&ペーストするだけで大丈夫です。
ステップ3:AIが生成した下書きを確認する(2分)
AIが数秒で、メール本文を提案してくれます。例えば、このような文が返ってくるかもしれません:
田中部長へ
お疲れさまです。
本日は、現在進めているプロジェクトの進捗状況についてご報告さしあげます。
【進捗状況】
A案件につきましては、予定通り進行中でございます。納期は6月末を予定しており、
現在のところ予定通りの進捗となっております。
一方、B案件につきましては、実施の過程で想定外の課題が発生いたしました。
対応策について検討が必要な状況となっております。
詳細につきましては、来週の定例会の際に詳しくご説明させていただきたく存じます。
ご多忙のところ恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
この段階では、完璧さを求めず「大枠は良さそう」という感覚で判断してください。
ステップ4:内容を自分で直す(3〜5分)
AIの下書きを読んで、以下の点を確認・修正します:
- 具体的な情報を追加:「6月末」のほか、プロジェクト名や案件番号があれば書き足す
- 言い回しを自然にする:読み直して「これは自分の言い方とずれている」と感じたら、直す
- 不要な部分を削除:「ご多忙のところ恐れ入りますが」など、自社の文化に合わない敬語があれば削る
- 誤字脱字のチェック:AIが勝手に漢字を変えていないか確認する
例えば、上の例文なら「ご多忙のところ恐れ入りますが」の部分を削り、「詳細は来週の定例会でご説明します」と少し短くすることで、よりあなたらしいメールになるかもしれません。
ステップ5:完成したメールを送信する(1分)
修正が終わったら、いつも通りメーラー(OutlookやGmailなど)にコピーして、相手に送ります。
送信前に、もう一度だけ全文に目を通すことをお勧めします。
つまずきやすいところと対策
1. 「AIが返してくれた文が、自分の言いたいことと違う」
原因:指示が曖昧だった可能性があります。
対策:もう一度AIに「修正してください」と追加の指示を出します。以下のように書くといいでしょう:
ありがとうございます。もう一つ、〇〇という点を追加でお願いできますか?
また、□□という部分は、もっと簡潔な表現に直してもらえますか?
AIは前の会話を覚えているため、「前回のメールを修正して」と言えば、その文脈で対応してくれます。何度でも「修正してほしい」と言えるので、納得いくまで直してもらいましょう。
2. 「生成されたメールが長すぎる、または短すぎる」
原因:文字数の指定をしなかったためです。
対策:最初の指示に「200字程度でまとめてください」「簡潔に、3段落でお願いします」と追加します。
実際のやり取りの例:
【最初の指示】
「報告メールをお願いします」
【AIの返答後に追加指示】
「いただいた内容はいいのですが、もっと短くしてもらえますか?
150字程度の簡潔版を作ってください。」
このように、段階的に調整していくやり方が効果的です。
3. 「相手に失礼な印象を与えないか心配」
原因:生成AIは一般的な敬語パターンを使うため、会社ごとのルールに完全に合わないことがあります。
対策:メールの形式が決まっている場合は、その形式をAIに見せて「このような形式で作成してください」と言うといいでしょう。
また、修正段階で、自分の会社で通常使う敬語や言い回しに直してください。例えば:
- 「させていただく」が多用されている場合は、削る
- 「よろしくお願いいたします」が何度も出ていたら、最後の1回だけにする
- 自社では「です・ます」調が基本なら、「ですます調」に統一する
4. 「同じような内容のメールを何度も作ることになる」
原因:毎月同じような報告メールを送っている場合、毎回AIに同じ指示をするのは手間です。
対策:最初に作ったメールの下書きを、テンプレートとして保存しておきましょう。
例えば、毎月末の進捗報告メールなら:
- 1回目:AIに指示して完成させた文を、Word や テキストファイルに保存する
- 2回目以降:そのテンプレートを開いて、数字や案件名だけ書き換える
このやり方で、2回目以降の時間は1分程度に短縮できます。
慣れてきたら試したいこと
1. 複数のパターンを一度に作ってもらう
AIには「〇〇と××の2パターン作ってください」と指示することもできます。
例えば、クライアントへの提案メールなら:
以下のクライアント向け提案メールを、2パターン作ってください。
・パターンA:相手が決定権を持っているケース(より丁寧に)
・パターンB:相手が担当者で、上司への報告を考えているケース(やや簡潔に)
2つのバージョンを見比べて、「どちらの言い方が相手に合いそうか」判断することで、より精度の高い選択ができます。
2. 長い説明文をメールに簡潔にまとめてもらう
社内資料や長いLINEのやり取りなど、複雑な内容を「メールの説明文」として短くまとめてもらう場合:
以下の内容を、相手に分かりやすくメールの本文として3段落でまとめてください。
【元の情報】
(長い説明文をペースト)
受け取る側が「何をすればいいのか」明確に分かる文にしてください。
このやり方で、複雑な案件や変更内容を「分かりやすいメール」に変換できます。
3. トーン・テンプレートを自分好みにカスタマイズする
何度かAIを使うと、「あ、このAIはこういう言い方をする傾向があるな」と気づくようになります。
そこまで来たら、最初の指示に「私の言葉遣いのクセ」を教えてあげるといいでしょう:
参考までに、これまで私が送ったメールの一部です。
このような言葉遣いや、雰囲気を意識して、今回のメール下書きを作ってもらえますか?
【参考:過去のメール】
(送信済みのメールを1〜2件、ペースト)
こうすることで、AIが生成するメールが、より「あなたらしい」ものになっていきます。
まとめ:小さく始めて、工夫を増やしていく
生成AIでメール下書きを作る流れは、実はシンプルです:
- 目的と内容をAIに伝える
- 返ってきた下書きを確認する
- 自分で直して送る
最初は「完璧な下書きをもらう」と思わず、「80%できている下書きをもらって、20%は自分で直す」くらいの気持ちで試してみてください。
何度か使っていると、「どう指示すればAIがうまく対応するか」のコツがつかめます。そこからは、時間短縮とメール品質の両立が可能になります。
毎日のメール作業が少しでも楽になれば、その分を他の大事な仕事に使えます。まずは試してみる価値があります。